寝られない時はどうしたらいい?
寝つきを良くするポイントや注意点
寝ようとして目を閉じても頭の中が考え事でいっぱいになり、なかなか眠りにつけないことがあります。この状態が続くと「早く眠らなければ」という焦りがストレスとなりさらに眠れないという悪循環を引き起こすこともあります。寝られない原因はさまざまで、その一因として精神的な要素も考えられます。そのため、良い眠りを誘うには、まずはリラックスすることが何よりも大切です。
寝られない時に試してみたいリラックス方法と、どうしても寝られない場合の対処法についてご紹介します。
更新日:2024/2/13
寝られない時は焦らずリラックスしよう
睡眠に関わる自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類で構成されており、この2つがバランスよく働くことが、日々の心地よい眠りに結び付いています。
生活リズムの乱れや心理的ストレスなどの影響を受けると、自律神経のバランスが崩れてしまい、寝られなくなってしまうことがあります。早く寝なければと焦ってしまいがちですが、緊張が高まると更に寝られなくなってしまいます。心地よい眠りに導くためには、心身ともにリラックスさせることが重要です。
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リラックスする方法
寝る前にいつも行うルーティンのことを入眠儀式と呼びますが、考えごとや悩み、不安などで眠れない時には、入眠儀式をすると心も体も自然とリラックスしやすくなります。入眠儀式にはお風呂に入ることやパジャマに着替える、歯磨きをするなどの日常的に行う動作も含まれますが、ここではリラックスして眠りにつきやすくなるおすすめの入眠儀式を8つご紹介します。
1. 寝室の環境を整える
一つ目は寝室の環境を整えることです。寝室の温度が高いと熱がこもりやすく、寒いと血管が収縮してしまうなど、暑くても寒くてもリラックスすることができません。外気温で寝室の温度も変わるため、乾燥などに気をつけながらエアコンを上手に活用しましょう。寝室でアロマを使うこともおすすめです。嗅覚は脳と深く結び付いているため、アロマを活用すると脳が睡眠モードに入りやすくなるからです。とくにラベンダーの香りは、精神を安定させ睡眠の質を高める効果があるとされているので試してみてください。
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2. 心を落ち着かせるツボを押す
心を落ち着かせるツボを押すのもおすすめの方法です。東洋医学では全身の気の流れを整えることで体の不調が改善できるとされていて、ツボ押しは自律神経を整え、高ぶった緊張を緩める働きがあります。眠りに効果的なツボには「労宮」や「百会」などがあり、労宮は手のひらの真ん中あたりに位置しており、親指でやや強めに5秒間ほど押してゆっくり離す動作を両手で5回ほど行います。百会は頭部のてっぺん付近にあり、この部分を指の腹で5秒ほどゆっくり押しながら3秒止めてゆっくり離します。この動作を5回ほど繰り返しましょう。
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3. リラックスの姿勢をとる
寝る前に運動をすると疲れてよく眠れると考える方もいるかもしれませんが、就寝前2〜3時間前の激しい運動は心拍数や呼吸が上がり、緊張状態になりやすくなるので控えましょう。就寝前にはできるだけ肩や首の筋肉に緊張が残らないようにし、快適な寝姿勢をとるように心がけましょう。仰向けでゆったりとした姿勢を保つ他にも、横向きに寝て脚の間にクッションを挟んだり、タオルを3つ折りにして腰の下に置く、さらに目をつぶり大きく深呼吸をしてみるなどの対処法は、リラックス効果だけでなく腰痛の改善にも繋がります。
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4. 筋弛緩法で体の緊張をほぐす
筋弛緩法で体の緊張をほぐすというリラックス方法もあります。漸進的筋弛緩法は、筋肉の部位に力を入れ、その直後に脱力させることによってリラクゼーションを味わう方法で、両腕をリラックスさせるためには、両手の肘関節を曲げ、握りこぶしをつくります。そこから腕全体を緊張させた状態を5秒ほど続けます。一度力を抜いて、肩から指先までを緩めた状態を20秒ほど続けます。筋弛緩法はこうやらなければいけないということはなく、健康的で心地よいと思えるやり方を見つけることがポイントです。
5. 腹式呼吸でリラックス
ゆっくりと深い呼吸をする腹式呼吸もリラックス効果があります。上手に腹式呼吸をするためには、まずは仰向けに寝ましょう。そして、その状態で口から大きく息を吐きますが、お腹がへこむことを意識しながらゆっくりと吐きます。次にお腹が膨らむのを感じながら、ゆっくりと鼻から息を吸います。今度は吸う時の2倍くらいの時間をかけながらゆっくりと息を吐きましょう。腹式呼吸のポイントは、頭の中を空っぽにする気持ちで行うことです。「4秒かけて息を吸い、4秒息を止める。4秒かけて息を吐き、4秒息を止める」という4カウントブレス法も効果的です。
6. 寝る前にスマホやPCを見ない
寝る前にスマホやPCを見ないようにしましょう。仕事、プライベートに関わらず、スマホやパソコンを使うことが当たり前の時代ですから、寝る直前までスマホを見ている人も多いかもしれませんが、スマホやパソコンから発せられるブルーライトを浴びてしまうと、メラトニンの分泌が減ってしまいます。メラトニンとは睡眠時に多く分泌されるホルモンで、朝起きてから14~16時間程度経つと自然に分泌され眠気を促してくれるものです。メラトニンの分泌が減ると睡眠モードに移行しにくくなってしまうため、スマホやパソコンなどの機器を使用する場合は、就寝の60分前までにするようにしましょう。
7. 夕飯は就寝の3時間前までに済ます
食事をとる時間帯を考慮することも寝つきをよくする大切なポイントです。寝る直前に食事をすると、内臓が消化のために活発に働きます。これにより体の深部体温が上がり、リラックス状態から離れてしまいます。そのため、食事は就寝する3時間前までに済ますことが理想です。また、寝る前のコーヒーや紅茶の摂取は控えるようにしましょう。これらの飲み物にはカフェインが含まれており、覚醒作用が働いて眠れなくなる原因になるので、15時以降は摂取しないのが理想的です。
8. ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
リラックスして眠くなるのは、深部体温が下がり始めた時です。そのため、ぬるめのお風呂に入浴することで一旦体温を上げ、血行を促し体温が発散され深部体温が下がるタイミングで睡眠に入りやすくなります。
より寝つきをよくするためのおすすめは、38~40℃くらいのぬるめのお湯に20分程度浸かることです。肩まで湯船に浸かるのではなく、半身浴がさらに効果的です。
入浴するのは就寝の1時間半~1時間前が理想です。お湯の温度が高いと発汗、呼吸、血圧、心拍数などが上がるため、熱いお湯につかりたい場合は就寝の2時間ほど前に入るのがよいでしょう。
どうしても寝られない時の対処法
リラックスする方法をいろいろと試してみたけどどうしても寝られないということもあるでしょう。リラックスできていないのに我慢して横になっていても、眠れない状態が慢性化してしまうのを防ぐためにも、ベッドから一度離れてみたり、興奮しないよう穏やかに過ごすなどしてみるのが良いでしょう。
一度起き上がってベッドを離れる
「眠れない」「何度も目が覚めてしまう」という場合は、一旦ベッドから離れてみるのもひとつです。眠れないのに眠ろうと頑張り続けてしまうと、脳がベッドを「眠れない場所」として認識してしまう恐れがあります。
また、寝つきが悪い状態が長く続く場合には、睡眠障害が隠れている可能性もあります。睡眠障害は、睡眠中に起きているため自覚症状がないこともありますので眠れない状況が2週間以上続く、昼間に強い眠気が続くといった時は、医師に相談してみてもよいかもしれません。
体を興奮させないよう穏やかに過ごす
ベッドや布団を離れた後も脳や体を興奮させないように穏やかに過ごしましょう。例えば、部屋の片づけなど気になっていることを済ませると安心して眠れる場合もあります。読書をすると心が穏やかになり副交感神経が働く効果があります。ただし、スマホの電子書籍は強いブルーライトを浴びることになるため避けましょう。紙に印字されているもので、小さくない文字の本がおすすめです。ただし、同じ姿勢を続けていることも緊張に繋がってしまうため、読書時間は20分程度を目安にするとよいでしょう。
まとめ
ベッドに入っても、なかなか寝られない時は、心も体もリラックスした状態にすることが大切です。ご紹介したように寝室の環境を整える、リラックスできる姿勢や筋弛緩法などを取り入れるなど試してみるのもよいでしょう。それでも寝られないと気持ちが焦ってしまいますが、焦ると脳や体が覚醒してしまうこともありますので、そのような時は一度ベッドを離れて本を読むなど穏やかに過ごしたり、あるいは快眠に導く画期的なアイテムを活用すると良いでしょう。寝られないことが多いと心や体に負担がかかりますので自分に合った対処法を見つけられるようにしましょう。