寝ている時にピクピクする・
ビクッとする原因は?
病気の可能性や対処法も解説

夜、眠っている時や短時間の仮眠の時などに身体がピクピクと動いてしまい、驚いて目が覚めてしまった経験はありませんか?なぜこのような現象が起きるのか、疑問に感じている方も多いと思います。また、寝ている時にピクピクする現象は大人だけでなく赤ちゃんにも見られることがありますが、大人との違いはあるのでしょうか?このような現象が起きる原因や、病気の可能性や関連性、眠りの質との関わりや質を下げないようにする対処法についても解説します。

更新日:2024/09/11

寝ている時にピクピクする原因は?

脚 寝ている時にピクピクする原因は、生理現象なのか病気や薬などの影響なのか、完全に解明されておらず判断が難しくなっているのが現状ではあります。
病気ではない健康な方が生理的な反応として体験する場合、可能性としては、「入眠時ミオクローヌス」が考えられます。ミオクローヌスとは、入眠時もしくは早期の睡眠時に、突発的に身体が勝手に動く「不随意運動」のことです。一般的に、睡眠時は脳も身体も休息状態に入るため、筋肉を緩ませようと脳が働きかけるはずなのですが、それが何らかの原因で誤作動を起こしてしまい、自分の意志とは関係なく筋肉が収縮してピクピクと身体が動きます。ミオクローヌスによる不随意運動は片手や片脚だけに起きることもありますし、多くの筋肉で同時に起こることもあります。動きとしては、一瞬だけピクッと動くこともあれば、ゆっくりと動くこともあり、こうした身体の反応によって睡眠を妨げてしまうことがしばしばあります。

脚

病気の可能性は?

では病気の可能性はあるのでしょうか?
前述のとおり、睡眠中に身体がピクピクとするのは、生理的な反応の場合が多いのですが、「周期性四肢運動障害(PLMD)」という病気の可能性もあります。この病気の症状は、睡眠時に腕や足がピクピクと動いたり、素早く跳ねるなどです。周期性四肢運動障害の場合、寝ている本人はこのような動きに気づいていないことも多いですが、頻繁に起きると睡眠が妨げられて夜中に何度も目が覚める場合も少なくありません。症状が起きる原因はまだ分かっていませんが、この病気は睡眠障害の一つとされており、比較的中高年の方に多い傾向となっています。

赤ちゃんが睡眠時にピクピクしている場合は?

赤ちゃん 赤ちゃんが睡眠時にピクピクしている場合は、原因が「モロー反射」や「ジタリネス」のようなよく見られる生理的な反応であれば、危険性はないといえるでしょう。モロー反射とは寝ている時に大きな音や光に反応し、両腕をバンザイした状態で指先まで開いて伸ばす原始反射のことで、生後0~4か月ころまでに見られます。一方でジタリネスとは、手足がカタカタやワナワナと小刻みに震えているような現象のことで、神経が過敏になっている時に起こりやすいといわれています。

赤ちゃん

「ピクッ」となる落下感も原因は同じ?

高い所から落ちる夢 高い所から落ちる夢や階段を踏み外した夢を見ていて、衝撃で身体がピクッとなってしまい目が覚めたという経験をしたことはありませんか?こうした落下感は「ジャーキング」といい、入眠時ミオクローヌスの中の一種の筋肉収縮運動とされています。眠りが浅くなったレム睡眠の状態の時に現れることが大きな特徴といえるでしょう。ジャーキングは疲労感がある時や電車の椅子に座って寝ている時など、寝心地が悪い状況ほど特に起こりやすいといわれています。

高い所から落ちる夢

睡眠時のピクピクとてんかん・痙攣の見分け方

寝ている時に起きるピクピクが、生理的な反応であればあまり心配する必要はありませんが、まれに別の病気が隠れている場合があります。てんかんや痙攣などの症状は、ピクピクと身体が動くのが似ている印象ですが異なる点はあるのでしょうか。見分けるにはまず、てんかん・痙攣の症状をよく理解する必要があります。

てんかん・痙攣の症状

てんかんとは、脳にある神経細胞が何らかの原因によって乱れてしまい、身体の動きをコントロールできなくなる病気のことです。発作の症状は人によって様々ですが、前兆には光がチカチカとする、耳鳴り、ピクピクと手が痙攣するなどが多いようです。この症状は生理的な現象のピクピクと似ていますが、大きな違いは単発かそうでないかです。入眠時ミオクローヌスは基本的に寝入りの時に起きるのに対し、てんかんや痙攣は寝入りのタイミング以外でも生じます。また同じような感覚を何度も繰り返す場合もあり、ピクピクとした痙攣が数十秒間にわたって続いてしまうこともあります。普段の状態とも比較して違和感を覚えるようであれば、早めに医療機関を受診し、治療をおすすめします。その際は、どこがどのようにピクッとさせているのか、どのくらいの頻度で続いているのかなどを医師に具体的に伝えると良いでしょう。

寝ている時のピクピクを防ぎぐっすり眠るには?

寝ている時にピクッとすることで、熟睡できずに翌朝まで疲れを引きずってしまうなどよい眠りの妨げになる可能性があります。そうならないように、ぐっすりと眠るための対処法についていくつかご紹介します。

睡眠サイクルを崩さない

睡眠サイクルを崩さないことが、良質な睡眠をとるために大切になります。睡眠サイクルには体内時計の働きが大きく関わっているため、できる限り同じ時間に起きて寝るようにし、体内時計を整えましょう。

朝起きたらまずは日光を浴び、脳も身体も活動状態にさせます。そこから14~16時間ほど経つとメラトニンの分泌が始まり、脳も身体も休息状態に切り替わっていきます。普段あまり意識していなくても、規則正しく起きて寝るという生活を続けることで、結果的に体内時計のバランスが整い、寝つきが良くなります。

夕方以降の激しい運動を避ける

夕方以降の激しい運動を避けることも良質な睡眠のために大切になります。
夕方ごろからメラトニンの分泌が高まり始めることを前述しましたが、そのタイミングで激しい運動をすることによって身体が興奮状態になってしまい、寝つきが悪くなり、一旦眠れたとしても運動をした反動で筋肉がピクピクと動き、熟睡できなくなる可能性があるためです。寝る前の筋トレは、習慣化しやすく適切に行うことで寝つきが良くなる面もありますが、できるだけ就寝の1時間から2時間前に終わらせておくと良いでしょう。

カフェインをとるタイミングに気を付ける

カフェイン カフェインをとるタイミングにも気を付けましょう。カフェインには交感神経が刺激される物質が入っているため、夜に摂取するのはあまりおすすめできません。カフェインが含まれているものは、コーヒーが一般的にもっとも多いとされていますが、その他にもお茶や紅茶、チョコレートやココアなど様々な飲料や食品に含まれています。例えば朝に目を覚ますことを目的としてカフェインを摂取するのは効果的といえますが、夕方以降にとると、スムーズに眠れなくなる、あるいは途中で目が覚めて眠れなくなってしまうこともあるので気を付けるようにしましょう。

カフェイン

アルコールとニコチンの摂取を控える

タバコ 実はアルコールとニコチンにも覚醒作用があるため摂取を控えるようにしましょう。アルコールの場合、適量の摂取で眠りやすくはなるものの、利尿作用によって途中で目覚めやすくなり、結果的に眠りを浅くしてしまいます。タバコに含まれるニコチンに関しても、吸った直後はリラックスした気分になりやすいと考えられていますが、自立神経に複雑に作用して身体が興奮状態になってしまうこともしばしばあります。ニコチンの量が多いほど睡眠障害が多く見られるという研究報告もあるので、過剰摂取には注意が必要です。

タバコ

睡眠環境を整える

睡眠環境を整えることも、ぐっすり眠るためのポイントです。例えば、部屋の温度や湿度設定が高すぎたり低すぎたりすることで、不快感から途中で目覚めてしまう場合がありますので寝室の空調管理は大切です。

エアコンなどを上手に活用しながら、快適な室内環境にしましょう。

自分に合わない寝具を使っていることが原因で身体に負担がかかってしまっている可能性も考えられます。沈み込みすぎない、自然に寝返りが打てるマットレスを選ぶなど、寝具に気をつかうことも大切です。

睡眠改善におすすめのフランスベッドの寝具

睡眠環境を整えて、ぐっすり眠るためにフランスベッドのおすすめ商品もご活用ください。

【Ag-PW-MS02】

マットレスはなかなか洗うことができませんが、睡眠時は汗をかくため、ぐっすりと眠るにはとにかく高衛生なものを使いたいと考えている方も多いでしょう。そんな方におすすめしたいのはキュリエスAgシリーズのマットレスです。表生地自体が銀イオンによる除菌機能を有しているため、マットレスを常に清潔に使うことができます。また低反発フォームで包み込む感触が心地良い睡眠へと導いてくれるはずです。

【DD‐BAE‐プレミアム】

毎日の睡眠の中で、眠りを妨げないようにする時のポイントといえば、寝返りのしやすさとほどよい硬さ、そして反発性です。DD‐BAE‐プレミアムはフランスベッド独自の高密度連続スプリング®に加え、「ブレスエアーエクストラライズ®」という新素材でハードな寝心地を実現しています。さらにダブルデッキスプリングを採用しているので、硬さだけではなく、クッション性まで兼ね備えているフランスベッド自慢のマットレスです。

【DD- シルキープレミアム】

フランスベッドのクラウディアシリーズは「リフレス®」という植物生まれのやさしい潤い繊維を採用しています。このリフレス®は一般的な繊維の中で最高レベルの16%の水分率になっています。やわらかな寝心地と潤いで心身ともにリラックスし、ぐっすりと眠れることでしょう。

まとめ

寝具 寝ている時に、ピクピクと身体が動いてしまう現象について解説しました。脳の誤作動による生理的な反応であればあまり心配する必要はありませんが、病気が原因で起こっている可能性もあります。朝起きた時にスッキリできているか、なんとなく寝不足になっていないかなどこまめに睡眠状況について振り返ってみると良いでしょう。睡眠中のできごとは、自分自身で気づくのはなかなか難しいかもしれませんが、まずは寝具に気を配ってみるなどの対策をとりながら、睡眠のサイクルを崩さないよう工夫することが大切です。

寝具

この記事の監修者

医師 木村眞樹子

日本睡眠学会専門医、日本内科学会 専門医
日本循環器学会専門医、日本医師会 認定産業医

東京女子医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学病院循環器内科入局。現在も東京女子医科大学病院、および関連病院で内科、循環器科、睡眠科として診療にあたるほか、嘱託産業医として企業の健康経営にも携わっている。