寝る前に筋トレをすると逆効果?
メリットや注意点、
おすすめメニューを徹底解説!

寝る前に筋トレ(筋力トレーニング)を実施した場合、睡眠の質には影響があるのでしょうか?
筋トレを行うことによって、ベッドに入ってからすぐ深い眠りにつける状態になれるのか、それとも逆に目が冴えて夜中に何度も目が覚める状態になってしまうのか、人それぞれの面もありますし一般的にはあまり知られてはいません。そこで今回は、就寝前の筋トレの効果やそのメリット・デメリット、さらには寝る前のおすすめ筋トレメニューについて詳しく解説したいと思います。

更新日:2024/07/30

寝る前の筋トレで期待できる効果・メリット

寝る前に筋トレをすることで、実際にどのような効果やメリットが期待できるのでしょうか?
4つの視点でみていきましょう。

習慣にしやすい

家事に追われて多忙寝る前に筋トレをするという行動パターンを決めることで習慣にしやすいというメリットがあります。仕事や勉強、家事などに追われて多忙であるほど普段から時間の余裕がなく、夜になってようやく自由な時間が作れる場合が多いのではないでしょうか。例えば夕食を済ませた後、しばらくしてから筋トレを行い入浴するという流れを寝る前の習慣にしてしまうと、日常的に運動することが苦にならず継続しやすくなります。
毎日の筋トレを寝る前の習慣にすることで、眠りへの流れもスムーズになり、良い眠りへとつながるかもしれません。

家事に追われて多忙

適度な筋トレで寝つきが良くなる

適度な筋トレをすることで、適度な身体の疲労感が得られて寝つきが良くなるというメリットもあります。最近ではリモートワークやデスクワーク、室内作業なども増えているため、日常的にほとんど運動する機会がなく身体の疲れを感じにくいという方も増えています。そのため寝つきが悪い、眠りが浅いといった悩みを抱えるなど睡眠に影響がでてしまう場合があります。このような方は軽めの筋トレを行うことで、適度な疲労感が得られて寝つきが良くなったり、眠りが深くなったりして朝までぐっすりと眠れるなど、睡眠の悩みを解決できる場合もありますので試してみてください。

眠くなる方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

深い眠り(ノンレム睡眠)ができる

適度な筋トレによって寝つきがよくなった結果、深い眠り(ノンレム睡眠)を得られる場合があることもメリットのひとつです。睡眠のメカニズムを簡単に説明すると、最初に深いノンレム睡眠から始まり、周期的にレム睡眠(眼球が素早く動く睡眠)が繰り返し現れて、朝が近づくにつれて浅いノンレム睡眠の回数が増えていき朝目覚める準備を整えます。初期段階の深いノンレム睡眠の間は大脳皮質が集中冷却され、脳を休ませられる状態です。またノンレム睡眠時には成長ホルモンの分泌が促されるため、筋肉が修復して運動能力を回復させてくれる状態でもあります。このように体の回復に役立つのがノンレム睡眠なのです。
筋トレによって必ず深い眠り(ノンレム睡眠)を得られるわけではありませんが、適度な運動を習慣化し睡眠のリズムを整えることで、深い眠り(ノンレム睡眠)へつながる可能性は高くなるかもしれません。

ダイエット効果がある

食べすぎる就寝前の筋トレは、ダイエット効果も見込めると言われています。睡眠の質が悪くなると、気づかないうちにストレスが蓄積して脳から空腹の指令が出るため、日中に食べ過ぎてしまいがちです。そこで就寝前の筋トレを習慣化すると、まずは基礎代謝が上がり身体全体が引き締まる効果が期待できます。さらには適度な疲れを感じることで自然に寝つきが良くなり睡眠の質が向上、これによりストレスが軽減されれば、日中食べすぎることが少なくなるため、ダイエットにつながる可能性があるというわけです。

食べすぎる

寝る前の筋トレによるデメリットは?

では寝る前の筋トレのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

一つめのデメリットは、時間配分の難しさです。筋トレ後に体が筋肉修復をするのに通常30分程度かかりますが、その間にきちんとタンパク質を補給することが筋トレの効果につながります。遅い時間に筋トレするとタンパク質を摂取するのは寝る直前になり、結果として胃腸や肝臓に負荷をかけてしまうことになります。

二つめは、筋トレにより寝つきが悪くなる可能性があることです。入眠を促進するためには、リラックス効果を持つ副交感神経が機能しなければなりませんが、過度に筋トレを行うと交感神経が働いて体が興奮状態になり入眠しにくくなります。また、筋トレによって心身にストレスがかかると脳が覚醒して眠りにつけない状態になってしまう可能性もあります。

寝る前に筋トレをする方法・注意点

就寝前に筋トレをする場合に、知っておくべき効果的な方法と注意点について、3つに分けてご紹介していきましょう。

ハードな筋トレ・激しい有酸素運動は逆効果に

夜寝る前にハードな筋トレや激しい有酸素運動をするのは刺激が強く入眠の妨げになります。筋トレにより破壊される筋肉は、ホルモンの一種であるコルチゾールが関わっています。コルチゾールの作用で心身ともにストレスがかかると、脳が覚醒して眠りにつけない状態になってしまいます。さらに、交感神経も刺激を受けて脳が興奮状態になることで、リラックス状態を促せずに寝つけにくくなるのです。心身への刺激を防げるように、30分以内の適切なトレーニングメニューを心がけましょう。

寝る1時間から2時間前に終わらせる

寝る1時間から2時間前には筋トレを終わらせるようにしましょう。これは筋肉を修復するために欠かせない成長ホルモンが睡眠中の血糖値が低下している間に増加する傾向にあるためです。筋トレ効果で血糖値が低下し、体が温まっている状態であればあるほど深い睡眠を得られやすいということもあります。ですから交感神経から副交感神経へ切り替えやすいように寝る直前は絶対に避け、遅くとも就寝2〜3時間前には筋トレを始めるのがおすすめです。

入浴は筋トレの後に行う

入浴は筋トレ後が最も効果的だとされています。筋トレをすると交感神経が働いて脳が興奮している状態のため、ぬるめのお湯に入浴すれば、副交感神経が作用しリラックスできます。気を付けなくてはいけないのはお湯の温度で、を熱くしすぎると交感神経にスイッチが入り興奮状態になるので要注意です。入浴中に軽くマッサージしたりストレッチしたりすると疲労回復しやすく、リラックス効果が高まります。そして入浴後は副交感神経の働きが活発化するので眠気を感じやすくなり寝つきが良くなります。寝つきが良くなると深い眠りが期待でき、睡眠の質が向上する可能性も高くなります。

寝る前におすすめの筋トレメニュー5選

寝る前に筋トレを行う際は、実際に得られる効果を十分に考えてトレーニングメニューの設定をしましょう。寝る前におすすめの筋トレを5種類紹介します。

1. ランジ

ランジとは下半身の筋トレです。その中で今回はバックランジを紹介します。バックランジは大腿四頭筋(太もも)・ハムストリングス(太もも裏)・大臀筋(尻部)が鍛えられ、基礎代謝アップや引き締め効果が期待できる筋トレです。

【トレーニング方法】

  1. 足を揃えて直立する
  2. 片足を一歩踏み出す
  3. 腰を落として前足の膝(ひざ)を直角に曲げる
    … 上半身はまっすぐのまま、前膝がつま先より前に出ないように注意!
  4. ゆっくり直立姿勢に戻す
  5. 反対側の足も同様に1.〜4.まで行う
  6. 数セット繰り返す
ランジ

2. プランク

プランクはインナーマッスルを効率よく鍛錬できる筋トレです。インナーマッスルとは深層筋(体の深層部の筋肉)のことで、「姿勢保持筋」という別名もあります。深層筋を鍛えて正しい姿勢を維持できれば、体の痛みや病気の対策にもなります。プランクには様々な種類がありますが、ここでは実践しやすい基本のプランクをご紹介します。まずは30秒キープから始めてみましょう。

【トレーニング方法】

  1. うつ伏せになる
  2. 肘から手を肩幅位置で体と平行して床につける
  3. 体を持ち上げる
  4. 頭からかかとまで一直線になるようキープする
  5. うつ伏せに戻る
  6. 数セット繰り返す
プランク

3. バックエクステンション

バックエクステンションとは、背筋(背中の筋肉)を鍛える筋トレです。背筋は猫背を防ぎ正しい姿勢を保ったり、上半身を前傾したりする時に大切な役割を果たしますし、肩こりや腰痛対策にもつながりますのでバックエクステンションを取り入れて背筋を鍛えてみてはいかがでしょうか。

【トレーニング方法】

  1. うつ伏せになる
  2. 頭の後ろで両手を組む
  3. 足を肩幅程度に開く
  4. 床にお腹をつけた状態で上半身を起こす
  5. 限界位置で数秒キープする
  6. ゆっくり息を吐きながらうつ伏せに戻る
  7. 数セット繰り返す

4. 腕立て伏せ

腕立て伏せはご存じかもしれませんが自分の体重を利用して、腕とともに体全体の筋肉を使った総合トレーニングになる筋トレで二の腕から、腹筋・大胸筋・体幹までバランス良く鍛えられます。

【トレーニング方法】

  1. 両手を肩幅より広めにして床につける
    … 真上から見て上腕部が「八」の字になるようにする、上腕が一直線にならないように注意!
  2. 頭からかかとまで一直線になるように体を持ち上げる
  3. ゆっくり体全体を下げていく … 床に胸がつきそうな位置まで落とす、腰が反らないように注意!
  4. 息を吐きながら元の2.の位置へ戻す
  5. 数セット繰り返す
腕立て伏せ

ドローイン

ドローインとは手軽な腹筋を鍛える筋トレのことでお腹を膨らませたり収縮させたりしてお腹の内筋を鍛える体幹トレーニングの一種です。内臓まわりの腹横筋や内腹斜筋などのインナーマッスル(深層筋)に負荷を与えて、お腹を引き締める効果があります。逆にお腹を膨らませた状態で行う呼吸はブレーシングと呼ばれます。

【トレーニング方法】

  1. 仰向けに寝て肩の力を抜く
  2. 両膝を立てる(60〜90度)
  3. お腹の両端に左右の手を当てる … お腹の動きを意識する
  4. ゆっくり息を吐きながらお腹を徐々にへこませる
  5. 息を全部吐ききってお腹を最大限へこませる
  6. 5.の状態で繰り返し浅い呼吸をしながら10〜30秒キープ
  7. 力を抜いてお腹を元の状態に戻す
  8. 4.〜7.を数セット繰り返す

ご紹介した筋トレの他に、睡眠前の軽いストレッチ運動も眠りへつながる効果が高いので、ぜひ習慣化させましょう。

睡眠前のストレッチについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください

良質な睡眠には環境も大事

良質な睡眠を維持するには、筋トレなどによって深い眠りへつなげることも大切ですが、日常の睡眠環境が非常に重要だと考えられています。

フランスベッドでは、快適な睡眠へ導くために、寝具(ベッドフレーム・マットレス・布団・枕・ベッドパッドなど)や寝装品(布団カバー・シーツ・枕カバーなど)だけでなく、快眠サポートグッズまで多種多様なアイテムを取り揃えています。フランスベッドのおすすめ商品を活用して睡眠環境を整え、安眠生活を目指しましょう。

例えば、2024年4月に発売された「ズカンピロー」は、独自の放熱テクノロジーに基づいて開発された特別な涼感タイプの枕です。
普通の枕と比較して表面温度を2.6℃低く維持した状態で、質のよい眠りにふさわしい「頭寒足熱」を実現させています。また、内部の放熱シートのおかげで睡眠中の枕のムレを抑えてくれます。

まとめ

深い眠り寝る前の筋トレは、習慣化しやすくダイエット効果があるというメリットだけでなく、適切に行うことで寝つきが良くなる・深い眠りが可能になるという効果も期待できます。今回ご紹介した5種から組み合わせて、30分以内で無理なく実施できる筋トレを行い適度な疲労感を得て深い眠りへとつなげるようにしましょう。
もちろん個人差がありますので必ず良い眠りへつながるわけではありません。就寝前にハードな筋トレを行わない、就寝1〜2時間前に筋トレを終える、筋トレ後は入浴するといったポイントを押さえて十分に注意して行うようにしてください。

深い眠り