自分に合ったバスタオル枕の作り方
メリット・デメリットも解説

枕は、良い睡眠のために大切な寝具のひとつです。自分に合わない高さで枕を使い続けると身体に大きな負担がかかってしまうこともあります。ご存じの方もいるかもしれませんが「殿様枕症候群」という言葉があります。これは、江戸時代に髪形やマゲが乱れないようにと作られた殿様枕からきたもので、高くて硬い枕では命に関わるような病気を引き起こしてしまう恐れもあるそうです。枕の高さは睡眠の重要なポイントですが、今すぐ最適な高さに変えるのは難しいという方もいるでしょう。そんなときの対策方法の一つに「バスタオル枕」が挙げられます。バスタオル枕のメリットやデメリット、そして寝心地の良い枕の選び方についても解説します。

更新日:2024/08/06

バスタオル枕がおすすめの理由

バスタオル枕はなぜ良いのでしょうか?身体への影響には個人差がありますが、自分に合った高さに調整できれば次のような身体へのメリットが期待できます。

肩こりの緩和

肩こり日中活動しているときには、人の首と肩は重たい頭部や腕を支え、筋肉や関節へ負担がかかっている状態が続きます。さらに睡眠時に高さが合わない枕で寝続けていると、頭を支えようと首や肩に力が入って血行が悪くなっていきます。結果的に、肩がこる、あるいはもともとの肩こりがさらに酷くなってしまうことになります。首や肩は、日中にも必要以上の負荷がかかっていることを認識し、睡眠時にこわばってしまった筋肉や関節をリラックスさせるためにも自分に適した枕の高さを意識することが大切です。バスタオル枕は、厚めに巻いたり、折りたたんだりするなどして高さを調整できるため、自分の快適な寝姿勢に合わせることができます。これによって首や肩に余計な力がかかりにくくなるため、肩こりの予防や緩和へもつながります。

肩こり

ストレートネックの改善

バスタオル枕によってストレートネックの改善や予防にもなる可能性があります。ストレートネックとは、その名のとおり本来ならばゆるやかにS字にカーブしている頸椎が、真っ直ぐな状態になってしまっていることをいいます。最近では、姿勢の悪い状態でパソコンやスマートフォンなどの機器を長時間使用していることが原因に挙げられますが、高さの合わない枕で寝ていて長時間にわたって首を前に曲げた姿勢となってしまうことも、ストレートネックの原因となっています。ストレートネックを放置すると、首や肩の負担から身体全体の不調につながる恐れもあるのでまずはバスタオル枕で改善を心がけてみてはいかがでしょうか。

いびきの予防

いびきいびきとは気道が狭くなり、その部分に空気が通過するときに振動で音がでてしまう症状で、鼻づまり、口呼吸、疲労やストレス、睡眠前のアルコール摂取や肥満など、様々な原因によって発生しやすくなります。
自分に合っていない高さの枕で眠っていると首が圧迫されやすいため、気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。自分のいびきによって目が覚めてしまい、眠りが浅くなるという悪循環に陥ることもあります。
バスタオル枕の高さを調節することで気道を確保していびきを軽減できれば、途中で目が覚めるリスクも下がり、睡眠の質の向上が期待できます。

いびき

バスタオル枕のメリット

手軽に高さ調整ができる

手軽に高さ調整ができるのがバスタオル枕のメリットのひとつです。最初は「これが良い」と思って購入した枕でも、その後使用していて合わないと感じることもあるでしょう。購入した枕を自分に合った高さにすることはなかなか難しくできないですし、購入しなおすにも費用がかかります。バスタオル枕なら、タオルの折りたたみ方を変えるだけで簡単に高さを調整できますし、巻き方によってやわらかめ、硬めなどの微調整も簡単にできます。

コストがかからない

入浴時にバスタオルを使用するコストがかからないのもバスタオル枕のメリットです。毎日の入浴時にバスタオルを使用する方がほとんどのため、新たなコストをかけずにバスタオル枕を作れますし、タオルなので自宅ですぐに洗濯できるため、繰り返し清潔に使えることもメリットといえるでしょう

入浴時にバスタオルを使用する

出張先や旅先で作れる

ホテルのタオルバスタオル枕なら出張先や旅先でもすぐに作れるのもメリットです。例えば、ホテルの枕が自分には合わないと感じたときでもバスタオルをコンパクトに折りたたみ作ることができます。他にもキャンプなどのときにもバスタオルをもっていきバスタオル枕を作ることもできます。

ホテルのタオル

バスタオル枕のデメリット

調整の高さや硬さには限度がある

バスタオル枕のデメリットとしては高さや硬さを調整はできますが限度があるということです。バスタオル枕は低めに調整するには適していますが、高めにしたいときは、バスタオルを何枚か用意しなければならない可能性があります。硬さに関してもバスタオル枕に反発力はないため、調整できる範囲には限度があるといえるでしょう。

理想の高さをキープできない

理想の高さをキープできないのもデメリットです。バスタオル枕は、寝る前に理想の高さにすることはできても、それをキープすることが難しいといえます。睡眠中は何度も寝返りを打つため、その影響で形状が崩れてしまうからです。崩れてしまったバスタオル枕は再び高さを調整する必要があるため、理想の高さをキープするのに毎日、手間もかかってしまいます。

身体に負担がかかる可能性もある

バスタオル枕にすることで身体に負担がかかる可能性があるのもデメリットです。一般的な枕は、適度な沈み込みや反発力などの機能が備わっているため、寝返りを打つ手助けをしてくれます。ところがバスタオル枕にはそういった機能がない分、身体に負担がかかる可能性があります。また横向きになったときもフィット感は欠けるかもしれません。合わないバスタオル枕を使い続けることで、かえって首や肩へ悪影響を与える恐れもあるので注意が必要です。

自分に合ったバスタオル枕の作り方

自分に合ったバスタオル枕はどのように作ればよいのでしょうか。
バスタオル枕にはいくつか作り方がありますが、そのうちの一つを順に紹介しましょう。

  • バスタオルを3~4枚ほど用意します。(自分の好みによって枚数を調整してください)
  • 1枚のバスタオルの長い辺を半分に折り、さらに半分に折って四つ折りの状態にします。
  • 短い辺の端を10cmほど折り返します。
  • 折り返した側と反対のタオルの端をもって半分に折り重ねると、首を置く部分が少し高くなったバスタオル枕になります。
  • 10センチほど折り返した部分が首を置く場所になるので、そこに首をおいて位置を確認します。
  • バスタオル枕の位置が低くて違和感がある場合、同じ手順でさらにバスタオル枕を作り上に重ねることで高さを調整します。(少し硬いと感じる場合は、一番上にやわらかい素材のバスタオルを置いてみましょう。)

バスタオル自分に合ったバスタオル枕を作るときのポイントは、寝姿勢になります。自分が仰向け寝なのか横向き寝なのかによっても、バスタオル枕の作り方は変わります。仰向けになったとき「少し高い」と感じる場合は四つ折りではなく三つ折りにしてみましょう。

バスタオル

寝心地の良い枕の選び方は?

バスタオル枕は手軽に作れますが、首や肩に負担をかける可能性もあるため、常に使い続けるのはあまりおすすめできません。快適な毎日の睡眠のためには、バスタオル枕ではなく、自分に合った寝心地の良い最適な枕を見つけるのが大切です。良い枕を選ぶポイントをご紹介します。

高さ

枕の高さは枕選びの重要なポイントです。日中に重たい頭部を支えているのは頸椎ですが、寝ているときは枕が代わりに頭部を支える役割を担うため、枕の高さが大切なのです。体格や骨格などによっても異なりますが、一般的に仰向け寝の場合は、マットレスと後頭部から首にかけての隙間は1~6cmほど、横向き寝の場合は、首の骨から背中にかけて真っ直ぐになる姿勢が理想的とされているため、その姿勢をキープできる高さの枕を選ぶようにしましょう。

素材

フェザー寝心地の良さを求めるなら、枕の素材も重要なポイントです。枕に使われている素材の代表的な例として「ポリエステルわた」「低反発フォーム」「パイプ」「ビーズ」「フェザー」「そば殻」などがあります。これらは触感や吸収性、通気性、弾力など様々な特徴があるため、自分好みや求める機能性が備わった素材が使われている枕を探してみるのがおすすめです。

フェザー

硬さ

パイプ枕の硬さも重要です。素材によって硬さは異なりますが、一般的に「ポリエステルわた」や「低反発フォーム」「フェザー」などはやわらかめで、「パイプ」や「そば殻」などは硬めといわれています。硬めはしっかりと首を支えてくれて寝返りのサポート力があり、一方でやわらかめは包まれるようなフィット感が特徴です。ただし硬いかやわらかいかは人の感覚にもよるため、自分自身で商品情報を確認するか、実際に寝心地を確かめると良いでしょう。

パイプ

サイズ

枕のサイズも大切なポイントです。枕のサイズやその名称などはメーカーによって様々ですが、一般的に横幅と奥行きは「63×43cm」と「70×50cm」の2種類が多いとされています。また枕によっては2人で使用することを想定した大きめの枕も存在しますが、寝心地が良いかどうかは人によって違います。睡眠時に使う枕はできるだけ自分自身が快適だと感じる枕にしましょう。

睡眠環境を整えて質の良い睡眠を

睡眠環境を整えて質の良い睡眠をとるために、枕は大切なアイテムのひとつです。
フランスベッドでは、睡眠環境を整えて質の良い睡眠へと導くことにこだわった様々な枕をご用意しています。

【SFピロープラス】

ショルダーフィットピロープラスは一つの枕で仰向け寝・横向き寝のどちらにも対応しているこだわりのピローです。仰向け寝のときはもちろん、サイドフィットゾーンには中空わたを使用しており、耳がフィットするようにへこみを作ることで横向き寝の耳への圧迫感を軽減しています。さらにネックフィットゾーンとヘッドフィットゾーンは3種類の詰物の中から選べるため、自分好みの素材や硬さに調整することが可能です。

【NSFピロー ソロテックス】

ニューショルダーフィットピローは、枕選びの大切なポイントともいえる高さが選べる「ソロテックス®」を採用したピローです。サイズは仰向けに寝たときの首の高さが「ロー」で3.5~4.5cm、「ハイ」は5.5~6.5cmです。ソロテックス®はモチモチとした独特の感触で低反発性があり、頭や首をソフトに支えてくれます。また、横向き寝にも対応している独自の形状になっています。

【ラグジュアリーダウンピロー】

羽毛布団にも使われるポーランド産のホワイトグースダウンとウールノップスを使用した贅沢なピローです。頭が触れる上層にはホワイトグースダウンを95%詰めており、ふんわりとやわらかい感触になっています。下層には弾力性に優れている羊毛を小さな球状にしたウールノップスを使用しており、頭部を包み込んでくれるようなフィット感があります。また両面使いできることもラグジュアリーダウンピローならではの特長です。

まとめ

枕バスタオル枕は、うまく使えば肩こりの緩和やストレートネックの改善などが期待できますし、簡単に高さや硬さを調整できるので家庭で枕が合わないときや出張先や旅先などで一時的に使用するのには良いでしょう。

しかし、バスタオル枕はあくまでタオルであり、通常の枕の機能が備わっているわけではありません。またバスタオル枕は寝返りを打つと形状が崩れる可能性も高いため、使い続けることにより首や肩に負担をかけてしまう恐れがありますし、毎日形状を調える手間もかかりますので長期の使用はおすすめできません。

睡眠環境を整えて良い睡眠をとるためには、常時使用する枕は、高さや硬さ、素材、サイズなどそれぞれの特徴を踏まえて身体に負担をかけない自分に合った最適な枕を選ぶようにしましょう。

枕
田口里奈

この記事の監修者

田口里奈

上級睡眠健康指導士
薬剤師
インテリアコーディネーター

医療従事者兼インテリアコーディネーター。
薬局勤務に加え、睡眠の質、生活の質向上を目指した論理的なインテリアコーディネート提案をオンラインで行っている。
睡眠/健康/暮らし系ライターとして大手検索サイト内等での記事作成やウェブメディア記事の作成協力も行う。