暑くて寝られない夜でも
ぐっすり寝るための方法をご紹介!

夏の夜は、暑くてなかなか寝られないことや、寝付いたとしても眠りが浅くてすぐに目が覚めてしまうなどが原因で寝不足に悩む人がたくさんいます。特に都市部ほど近年は酷暑化していて、熱帯夜(18:00〜翌6:00に最低気温が25℃以上)の日数が年々増加する傾向にありますので余計に寝られない夜も多くなっているのでしょう。今回は、暑さで寝られなくなる理由や、暑くて寝付きづらい夜でもぐっすり寝るための方法をご紹介しますので参考にしてみてください。

更新日:2024/04/10

暑いと眠れなくなるのはなぜ?

夜に暑くて眠れない経験は誰にでもあると思いますが、その最大の理由は体内の温度が十分に下がらないことです。
私たちは体から熱を放出して深部体温(脳・臓器などの体内温度)を下げることで、眠りにつきやすくなりますが、この体からの放熱のしやすさは室温や湿度にも影響することがわかっています。秋や冬は室温が低いため、入眠前に体から出る熱のおかげで適度な体温になり、一般的に心地よく入眠しやすいといわれています。夏の時期は最低気温25℃以上になる熱帯夜が多くなり、室温や湿度が高い状態が続き、深部体温は下がりにくくなるため、気持ちよく入眠することができず、睡眠の質が悪くなるのです。
また、冷え性の症状がある場合も寝つきが悪くなると考えられます。これは通常手足から体内の熱を出して深部体温を下げていますが、冷え性だと手足の血行不良で体内の熱をうまく放出できなくなり深部体温が十分に下がりきらず、スムーズな入眠が難しくなるからです。

暑くて寝られないときの対処法

では暑くて寝られないときの対処法はどのようなものがあるのでしょうか?
暑い夏でも深く眠るためには、深部体温・睡眠ホルモン・自律神経のコントロールが必要です。暑い時期の睡眠対処法を具体的に6つご紹介します。

ー快眠のポイントについて詳しく知りたい方はこちらをご覧くださいー

1. 頭部を冷やす

暑くて体温が下がらないときは、頭部を冷やします。体温を下げるには額よりも、後頭部を冷やすことがより効果的です。
頭部以外では太い血管が通っている部位である脇の下、股関節や首のつけ根などを適度に冷やすのも良いでしょう。氷枕や冷感シートなどを利用すれば深部体温が下がりやすくなり、自然な寝つきにつながります。ただし過度な冷やしすぎや、手足を冷やしてしまうと逆に放熱しにくくなってしまうため、気をつけましょう。

頭部を冷やす方法として、寝具も冷感機能をもったものがあります。フランスベッドの「ZUKANピロー(ズカンピロー)」は、独自の放熱技術を採用して快眠に導くおすすめ商品です。
枕にはドイツで開発された放熱シートが内蔵されていて、メーカーが行った機能性実験では、表面温度を平均で2.6度下げるという結果も出ています。
また、本体に使用されている低反発ウレタンは、空気の通る気孔を設けているので蒸れにくく、さらに表面のジェル層が低反発ウレタンとの密着を防ぎ、熱を溜めにくい構造になっているため、質の良い睡眠を実現します。

ZUKANピロー(ズカンピロー)

2. 就寝前に水分を摂取する

就寝前に水分を摂取就寝前に水分を摂取することも効果的です。人は眠っている間に汗をかいて、体から熱を出し深部体温を低下させます。体温をうまく調節するために、就寝前にコップ1杯程度の水を飲んで水分を補給しておきましょう。ただしカフェインを含む飲み物やお酒は水分の補給にはなりませんし、睡眠の質を低下させるので避けるようにしましょう。

就寝前に水分を摂取

3. 入浴する

ぬるま湯にゆっくり浸かる入浴は疲労回復やストレス発散だけでなく、快眠効果を促すといわれます。40℃までのぬるま湯にゆっくり浸かると、自律神経のうち副交感神経が働くのでリラクゼーション効果が高まります。お湯が熱すぎると交感神経が優位になって覚醒してしまうため、入眠には逆効果となりますので温度には注意しましょう。
また、入浴により深部体温が一時的に上がり、その後は反動で緩やかに低下するため、入浴は寝る1時間半〜1時間前に済ませておくことが理想です。

ぬるま湯にゆっくり浸かる

4. 朝は日光を浴びて夜は光を調整する

朝の太陽光を浴びる朝は日光を浴びて夜は光を調整することも効果的です。
朝、太陽光を浴びると、睡眠を誘導するホルモン「メラトニン」の分泌が夜間に増えるため、起床したらまずカーテンを開けて日光に当たるようにしましょう。「メラトニン」の原料になるといわれるタンパク質・ビタミン・ミネラルがたっぷり含まれた朝食を摂ることも重要ですので、規則正しく生活し朝食を摂ることを習慣化しましょう。夜の就寝前は照明を暗めにしておき、スマートフォン・パソコン・テレビ・ゲームなどのブルーライトを見ないようにすることで安眠につながります。

朝の太陽光を浴びる

5. 夏向きのパジャマや寝具を用いる

すのこタイプのベッド夏に適したパジャマや寝具を選ぶことも大切です。次のような内容を参考に選んでみてください。

すのこタイプのベッド
パジャマ 素材
  • 天然の生地がおすすめ(綿/麻など)
  • 吸水性/速乾性/放熱性のよいものなら化学繊維もOK
  • 特に凹凸のあるタイプは通気性が良く快適(サッカー生地など)
寝具 【ベッド/マットレス】

【シーツ/カバー類】
  • 通気性/放熱性がよいもの
  • すのこタイプのベッドなど
  • 吸水性/速乾性/放熱性のよいもの
  • 吸放湿性を持つガーゼ素材や、ひんやり感のある麻など

6. エアコンを適切に使う

エアコンエアコンを適切に使い活用することで睡眠の質を向上させるようにしましょう。エアコンなしで就寝すると熱中症になることがあるため注意が必要です。エアコンを使用し寝室を適切な温度・湿度に設定し、快適な睡眠環境を整えます。特に暑い日は、エアコンとともにサーキュレーターや扇風機を利用すると効果的です。

エアコン
温度
  • 目安は27〜28℃(個人差あり)
  • 特に暑い夜は朝までつけっぱなしがおすすめ
  • 冷やし過ぎに注意
湿度
  • 約40〜60%
  • 高湿度の際はエアコンの除湿機能を使う
風向
  • 体に風が直接当たらないように調整する
ー睡眠時の適切なエアコン利用方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧くださいー

まとめ

日本の夏は気温・湿度が高く過ごしにくいうえ、夜は暑くてすぐに寝つけず快眠できないような日が続きます。暑さで眠りにつけない最大の理由は、体の熱がうまく放出できず深部体温が下がらないことです。深部体温の他にも、睡眠ホルモンや自律神経をうまくコントロールすることも入眠にとって重要な工程です。
暑さで寝つけない、寝苦しいときは以下の6つの対処法を実践し、快適な入眠を目指しましょう。

  • 頭部を冷やす
  • 就寝前に水を飲む
  • 正しい方法で入浴する
  • 朝日を浴びて夜はブルーライトを避ける
  • 夏用パジャマ/寝具を使用する
  • エアコンを適切に利用する

この記事の監修者

田口里奈

上級睡眠健康指導士
薬剤師
インテリアコーディネーター

医療従事者兼インテリアコーディネーター。
薬局勤務に加え、睡眠の質、生活の質向上を目指した論理的なインテリアコーディネート提案をオンラインで行っている。
睡眠/健康/暮らし系ライターとして大手検索サイト内等での記事作成やウェブメディア記事の作成協力も行う。