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安眠のためにはどうするべき?
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毎日元気にいきいきと生活するために欠かせない大切なことのひとつとして睡眠があげられます。人によって必要な睡眠時間は様々ですが、夜はちゃんと寝ているはずなのに、安眠・熟睡ができていないと感じる方も多いのではないでしょうか。単純に長く睡眠が取れていれば良いというわけではなく、眠りの質にこだわることも大切です。今回は良質な睡眠である安眠・熟睡のセルフチェック法、そしてよく眠れていない原因や、その原因を解消するポイントについても紹介いたします。
更新日:2024/04/26
安眠や熟睡のセルフチェックとは?
安眠や熟睡はぐっすり眠るという意味を持ちますが、そもそも安眠・熟睡ができているかどうかは、どのようにチェックするべきなのでしょうか?方法としては寝ているときに体に機器を取り付けて睡眠を測定する方法や、起きた後に日中の状態でセルフチェックする方法などがあります。
安眠・熟睡ができているかを知るためのセルフチェック方法としてはまず、朝や昼間の時間帯に自分がどのような状態であるかを把握することが大切です。特に「朝、脳や目がスッキリした状態で起きられるかどうか」は客観視しやすいチェックポイントになります。また睡眠は、日中元気に活動的に過ごすために取るものですから、日中眠気に襲われることなく心身ともに健康的な活動ができていれば、夜に安眠・熟睡ができていると判断の目安になります。
米国の国立睡眠財団の調査では、成人の睡眠時間は7~9時間程度を推奨としていますが、実際に必要な睡眠時間には個人差があります。7時間未満でも日中元気に活発に過ごせているのであれば、睡眠時間に問題はないといえるでしょう。一方で、8時間以上寝ていても「スッキリしない」「常に眠い」「疲れている」などと感じる場合は、安眠・熟睡が十分にできていない可能性があります。質の悪い睡眠を取っていると、身体だけではなく精神的にも疲労が蓄積しやすい状態になるので注意が必要です。
安眠や熟睡ができない原因とは?
では、安眠や熟睡ができていない原因とは何でしょうか?安眠や熟睡のために大切なのは睡眠の量より質です。毎日睡眠時間をしっかり取っていても安眠できていないということは、質の良い睡眠が取れていない可能性が高いといえるでしょう。原因としては一般的に「生活習慣」と「寝室環境」が多いといわれています。ここからは安眠ができていない原因となる生活習慣と寝室環境についてそれぞれ詳しくみていきましょう。
【安眠ができない原因となる生活習慣】
体内時計に反する生活、疲労やストレス、活動量の少なさ、アルコールやカフェイン
安眠ができない原因のひとつに、体内時計に反する生活を送っていることが考えられます。私たちの身体は、朝起床後に光を浴びて約14時間程度経つとメラトニンという睡眠ホルモンが自然に分泌されるようになっています。しかし、スマートフォンやテレビなどの視聴で夜までブルーライトを浴びていたり、1日中光のある部屋で過ごしていたりすると生活リズムが乱れやすくなり、夜のメラトニンの分泌を妨げるようになってしまいます。
また、仕事やプライベートなどの悩みで疲労やストレスを溜めた状態は、自律神経が乱れて安眠・熟睡を遠ざけてしまいます。このようなかたちで疲労が多すぎる状態は良くありませんが、一方で、ある程度の疲労感があることは、安眠に繋がる大切な要素ともいわれています。在宅ワークなど生活環境が大きく変わった現代では、活動量が少なくなり、結果的にそれが睡眠に悪影響を及ぼしている可能性もあります。その他には、就寝前のアルコールやカフェインを過剰摂取したことが原因で脳が覚醒して寝つきが悪くなってしまっていることも考えられます。
【安眠ができない寝室環境】
寝室の温度や湿度、騒音、寝具・寝装品・寝間着、パジャマ
睡眠の質は寝室の環境によっても左右されるため、暑い・寒いなど室内の気温による不快感から眠れなくなり安眠できないこともあります。エアコンなどを使用して温度や湿度の調整を行ってください。
家の近所での騒音や、街灯、時計のチクタクという音が気になってしまうなど環境音が与える影響も考えられます。その他にも、寝具・寝装品や寝間着、パジャマなどが原因の場合もあり、例えば寝返りが打ちにくい寝具であったり、汗や熱がこもるなどの不快感や、身体の締め付けが強い寝間着でリラックスできないなどの原因で安眠できていない可能性もあります。
安眠・熟睡のために「睡眠五感」を意識しよう
近年では睡眠に関して悩みを持っている方が多くいます。安眠・熟睡に関する情報はいくつか存在しますが、個人差があるので自分にとって有益でない情報があることも事実です。情報をすべて鵜呑みにして、やみくもに実践するだけではかえって眠れなくなってしまうこともありますので、何が自分に必要な情報かしっかりと見極めることが大切です。その中で絶対に意識してもらいたいポイントとして紹介するのが「睡眠五感」です。一般的にいう五感とは「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」のことを指しますが、睡眠五感は、睡眠中には使われない味覚の代わりに室内で人が感じる暑さと寒さの感覚「温熱感覚」を加えた5つの感覚のことをいいます。五感は脳と密接な関係にあるため、危険を感じた時などには瞬時に脳へと指令が送られます。脳が健康であれば心も身体も健康的でいられますが、脳が疲れてしまっていると、五感は鈍くなり、睡眠状況にも影響を及ぼすことがあります。つまり、この睡眠五感を意識した行動や環境づくりをすることが安眠への近道になります。ここでは睡眠時の視覚、聴覚、嗅覚、触覚、温熱感覚について、それぞれの具体的なアプローチ方法を紹介します。
ポイント1「視覚」:光を浴び、昼と夜とのメリハリをつける
視覚については、朝起きたらカーテンを開け、窓から1m以内で15秒ほど日光を浴びることが理想です。これによって睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑制され、覚醒作用のあるホルモン「セロトニン」の分泌が促されて体内時計が整います。就寝の際は、就寝する数時間前から照明を暗めの暖色系の光に変えて静かに過ごし、睡眠モードに環境を整えていきましょう。昼間はできるだけ明るい場所で過ごし、夜は光を落とすなどメリハリをつけることが大切です。また、寝室にある寝具や家具は強いビビットの色を避けて、やさしいパステルカラーにするのもおすすめです。
ポイント2「聴覚」:図書館のような空間を目安に
安眠するためには、聴覚に関わる音の調整も欠かせません。音響関係の研究に取り組んでいる日本音響学会の調査によると、40デシベル以下の音環境が睡眠には良好であるとされています。この音環境に近い数値なのが図書館の中といわれているため、図書館の中のような空間を目安にした睡眠環境をつくるのが理想的といえるでしょう。ただ、交通量が多い道路に面している、繁華街が近くにあるなどの理由で、環境的にどうしても騒音が入ってしまう方もいるかもしれません。そういった場合は、音を遮る防音カーテンの使用や、心地よい音を被せてカモフラージュする「マスキング」を使って不快感を緩和させるなどの対策方法があります。
ポイント3「嗅覚」:安眠効果が期待できるお気に入りの香りを見つける
嗅覚的には、アロマなどを活用して香りで安眠に導くのも良い方法です。一般的に安眠が期待できるとされているのがラベンダーの香りです。ラベンダーに入っている酢酸リナリルという香りの成分は、セロトニンの分泌を誘発し、さらにセロトニンは睡眠ホルモンのメラトニンへ変換されます。その他にも、イランイラン、ベルガモット、オレンジスイート、ヒノキなどの香りもおすすめです。アロマ以外にもミストで枕に吹きかけたり、フレグランス、ロールオンタイプなどの様々な種類から好みの香りを選んで使用するなど自分が活用しやすい商品で取り入れてみるのがおすすめです。
ポイント4「触覚」:寝具・寝間着は心地よいと感じる素材選びから
実は睡眠五感の中で見落としがちになってしまうのが触覚です。睡眠の質を上げるためには、パジャマなどの寝間着、掛け布団や敷布団、枕カバーなどの肌に直接触れる寝具や寝装品選びが重要なポイントとなります。例えば、コットン素材は肌触りと耐久性が良く、シルクは保湿性と吸湿性に優れているなどそれぞれの素材によって違いがあります。リラックスできることが大切なので、機能性に加え自分が触って心地よいと感じる素材を選びましょう。
ポイント5「温熱感覚」:布団の中は快適な温度で
温熱感覚として、安眠に理想的な寝床内(布団の中)環境は、温度33±1℃、湿度50±5%といわれています。これは1年を通じて変わることがないため、布団や寝間着、様々な冷暖房器具などを利用して快適な状態を保つように心がけましょう。ただし、エアコンなどの暖房器具を使う場合、空気が乾燥しやすくなるため、加湿器を併用したり、濡れタオルを干すなどの乾燥対策を同時に行うようにしましょう。
ー睡眠の質、安眠のための最適な温度について詳しくはこちらをご覧くださいー
ツボや飲み物でも安眠効果が期待できる?
これまで紹介したポイントの他にも睡眠の質を上げるためには、脳をリラックスさせ自律神経を整えることが重要です。血流を促し、疲労回復やストレス緩和への効果が期待できるツボ押しや、心身ともにリラックスさせるための就寝前の飲み物によって安眠効果が期待できるでしょう。
安眠に効果があるとされるツボ
【安眠(あんみん)】
安眠は、耳の後ろの下向きにとがっている骨の部分から指1本分ほど下のくぼみにあるツボで、安眠という名前のとおり眠りを誘うツボです。両手の親指をそれぞれのツボにあてて、優しく力を加えながら手のひらで頭を包むように数秒間刺激してみましょう。この場所はパソコン仕事などで凝ることが多いので、凝りを緩めればリラックス効果が期待できます。
【百会(ひゃくえ)】
百会は、鼻の延長線と、両耳を繋いだ線が交わる場所で頭頂部にあるツボです。頭頂部には少し柔らかい部分があり、その部分へ両手の中指を重ねるように軽く当て、小さい円を描くように刺激しましょう。1分間ほど押し続けると、イラつきやストレスを解消し、自律神経を整える効果が期待できます。
【失眠(しつみん)】
失眠は、かかと中央にある少しくぼんだ場所にあるツボで安眠の他にもむくみや下半身の冷え対策に効果的です。失眠は、足の裏側にあり、皮膚が固いため、指の力だけで押すと少し弱いと感じるかもしれませんので握りこぶしを作ったり、ツボ押しグッズなどを使ったりして刺激してみると良いでしょう。
安眠のためにおすすめの飲み物
人は入眠時に皮膚の温度が上がり、やがて皮膚からの放熱で身体の内部の体温である深部体温が下がることでメラトニンの分泌が誘発されて入眠モードに切り替わります。皮膚温度と深部体温の差は大きいほど眠気を感じやすく、深部体温は上がった分だけ下がろうとする特徴があります。ですから安眠のためには入眠の1時間~数時間前に温かい飲み物を飲み、事前に深部体温を上げるようにしましょう。
ただしカフェインが多い飲み物は覚醒しやすくなり、糖分の多い飲み物は血糖値が上昇するため安眠には逆効果になります。ノンカフェイン、砂糖の入っていない下記におすすめするものを選ぶようにしましょう。
【安眠のためにおすすめの飲み物】
- ハーブティー
- ホットジンジャー
- 麦茶
- そば茶
- 白湯
安眠・熟睡のためのおすすめグッズ
紹介してきた睡眠五感のアプローチ方法、ツボ押しや飲み物などで睡眠環境を整えても、ぐっすり眠れないという日もあるでしょう。そんな時は、安眠・熟睡できるように導いてくれるおすすめグッズに頼るのもひとつの方法です。
羽毛布団
羽毛布団は、睡眠五感の中の「温熱感覚」と「触覚」の2つにかかわるおすすめのグッズです。
羽毛布団には、肌掛け、それよりも厚めの合掛け、もっとも暖かい本掛けと3つの種類があり、季節を通して使用することが可能です。夏は暑くて寝つきが悪くなることから、冷房をつけて寝る方が多いと思いますが冷房は身体が冷えすぎてしまうこともあるため、羽毛肌掛け布団を用意しておくと快適な温度環境を保つことができます。羽毛布団はカバーをかけて使用します。カバーも肌触りのよいものを選べば、より快適に眠ることができるでしょう。
照明
照明の光が明るすぎるままでは快眠から遠ざかってしまうため、就寝前からしっかりと光を考慮した就寝環境を整えておくことが大切です。照明器具は、一般的に就寝の数時間ほど前に、白色に近い光の色から暖かみのある電球色へ切り替えることが理想的といわれています。寝る時間を逆算して照明の明るさを変更すると、安眠へと導く環境が整います。子供の寝つきがよくないときにも試してみてください。照明の中には、眠りにつくと自動的に消灯してくれたり、起床時に目覚まし機能が付いていたりする便利なアイテムもあります。照明器具が調整できない環境の場合は、就寝前に間接照明を活用するのもおすすめです。
フランスベッドのおすすめの快眠グッズ
安眠・熟睡の手助けをしてくれるグッズの種類は多岐にわたっているのでどうやって選べば良いのか分からないという方もいるでしょう。ここではフランスベッドがおすすめする快眠グッズについてポイントやこだわりをご紹介します。
カスタムセレクト羽毛ふとん
カスタムセレクト羽毛ふとんは、羽毛の力を最大限にひきだし、布団の中の温度と湿度を快適に保ち、理想的な寝床内環境を整える羽毛布団。
キルトパターンや羽毛の種類など、求める寝心地に合わせて豊富なラインナップから、ぴったりの1枚をお選びいただけます。
ライフトリートメントマットレス
すべてのグレードが徹底除菌&徹底通気のマットレス。
一本の鋼線がつながってつくられる「高密度連続スプリング®」を導入しており、体を面全体で支え、自然な寝返りを叶えます。通気性がよく内部に湿気をためこまないため、いつでも爽やかな寝心地を実現します。
睡眠環境を整えて質の良い睡眠を
フランスベッドでは、ベッドフレームやマットレス、枕といった寝具・寝装品だけではなく、快適な眠りをサポートするグッズも数多く取り揃えています。
いびきの悩みを解消する枕や、睡眠時やリラックス時のさまざまな姿勢を支えるクッションや枕など、あなたの快適な眠りと豊かな生活をサポートする快眠アイテムをご紹介しています。フランスベッドの「快眠サポートグッズ」でより良い眠りを体感してください。
まとめ
安眠・熟睡ができているかどうかは、日中のパフォーマンスによってチェックできます。疲れている、元気がない、常に眠いと感じている時は、安眠できていない、つまり良質な睡眠を取れていない可能性があります。その原因は、普段の生活習慣や寝室環境の中に隠れているかもしれません。安眠・熟睡へと導くためには、生活スタイルや食生活、寝具や寝間着を見直したり、快眠に役立つグッズを活用するなど工夫して睡眠環境を整えるようにしましょう。
この記事の監修者
田口里奈
上級睡眠健康指導士
薬剤師
インテリアコーディネーター
医療従事者兼インテリアコーディネーター。
薬局勤務に加え、睡眠の質、生活の質向上を目指した論理的なインテリアコーディネート提案をオンラインで行っている。
睡眠/健康/暮らし系ライターとして大手検索サイト内等での記事作成やウェブメディア記事の作成協力も行う。