みんなの布団の疑問
Q
羽毛布団はどう選ぶ?羽毛の種類やダウン率による違いとは?
更新日:2023/9/29
A
羽毛布団を購入するときにどのような基準で選びますか?
一言で羽毛布団といっても種類が豊富にあるので最適なものを選ぶのにどれがいいのか迷うと思います。
羽毛布団は、羽毛を採取した水鳥の種類やダウンパワーの数値、ダウン率の違いなどによって品質も変わってきます。ここでは、羽毛布団の選び方のポイントを詳しく説明していきます。
羽毛布団の選び方1:羽毛(ダウン)の種類
羽毛布団は、まず羽毛の種類によって選びましょう。羽毛にはダウンとフェザーの2種類があります。
ダウンは空気をたくさん含んでふくらみがありますのでダウンの比率が高いほうが、軽くて暖かく羽毛布団にとって良い羽毛布団と言えます。
また、ダウンとひとくくりにされますが、水鳥の種類によって品質は大きく違っています。羽毛布団に使用されるのはダック(アヒル)とグース(ガチョウ)の2種類になりますが、一般的にダックよりもグースの方が大きなカラダのため、ひとつひとつのダウンボールが大きく高品質な羽毛となります。
また、グースの中でも体格が大きく健康的な親鳥・マザーグースの羽毛は弾力性や保温性に優れた高級品と言われています。
一般的にダックとグースを比較するとグースの方が品質は良いとされていますが、ダックにも希少なアイダーダックの幻の羽毛、アイダーダウンを使用した最高級の羽毛布団があります。
ダック、グースについて詳しくは、こちらもご覧ください。
「グース・ダックとは」
1:ダック
ダック(アヒル)のダウン羽毛は、ふわふわとして保温性がある胸の部分の綿毛です。価格が比較的安価であることから、購入のしやすさがメリットとなります。しかし、ダックはグースと比較するとダウンボールが小さいため、ボリュームを求めると重たくなってしまいます。また、ダックは雑食であり、食べた動物性の飼料肉などから油脂がつきやすくなるためグースと比べて臭いが強いとされています。フランスベッドにおきましてもダックを採用していますが、国内の自社工場で徹底洗浄を行い、さらに制菌加工を施していますので臭いは殆ど気になりません。
2:グース
グースはダックに比べてダウンボールが大きいので軽量でもボリュームがでるのがメリットです。さらにグースは羽枝、小羽枝が細くて密度が高いため、羽毛が劣化しにくいという特徴もあります。
草食性が強い水鳥のため、ダックと比較すると臭いが少ないので、羽毛布団を選ぶ際の基準に臭いを重視される方は、ダックよりグースにしたほうが良いでしょう。価格面においては、ダックより高価になります。
3:マザーグース
マザーグースは、産卵のために飼育されているグースの親鳥のことで、一般的に2~6年ほど飼育されています。長期間にわたって飼育されているため、羽枝が大きくてしっかりとしています。その他にも耐久性が高いことも特徴です。マザーグースの羽毛は、かさ高性とダウン率によってもランク分けされており、ランクが高いものほど良質な羽毛です。最高級品と呼ばれるものは、価格も高額になってきます。
羽毛布団の選び方2:ダウン率
羽毛布団を選ぶ際には、品質表示ラベルを見て、ダウン率の数字に注目してください。ダウン率とは、羽毛布団に使われているダウンの割合を%で表示したもので、このダウン率の数値が高くなるほど上質な羽毛布団となります。「羽毛布団」と呼ばれるための基準はダウン率が50%以上ですが一般的に高品質と言われる羽毛布団はダウン率90%以上のものです。同じ羽毛布団でもダウン率の差による品質の違いは大きいのです。
品質表示ラベルには、ダウンの他にもフェザーの数字が記載されていることもあります。羽毛布団に使用されるフェザーは翼部分の大きなものではなく、腹部のスモールフェザーと呼ばれるもので、多少湾曲した羽軸を持っています。このため、布団内部で変形しにくく通気性が良くなりますが、ダウンとは異なり膨らむことがないので暖かさを求めると、重くなってしまいます。
ダウンとフェザーの比率については、ダウン率が50%未満の場合、「羽毛布団」ではなく「羽根布団」に分類されます。羽毛布団の品質の良さ=ダウン率の高さとなりますので、ダウンの割合が高い羽毛布団を選びましょう。
羽毛布団の選び方3:羽毛布団の種類
羽毛布団は1枚もの、オールシーズン(2枚もの)から選ぶことが出来ます。
お住まいの地域の気候や使い方に合うものを選んでください。
本掛け布団
シングルで1.1kg~1.3kgを充填した最も厚さのある羽毛布団です。
合掛け布団
充填量がシングルサイズで0.8kg前後の羽毛布団で、軽めの羽毛布団がお好みの方やマンションなど機密性の高い住宅にお住まいの方におすすめです。
肌掛け布団や毛布と合わせて使うことで、真冬の寒さにも対応できます。
肌掛け布団
充填量がシングルサイズで0.3kg前後の薄手の羽毛布団で、ダウンケットとも呼ばれます。
夏場でもエアコンの冷えなどが気になる方におすすめです。
オールシーズン
合掛けと肌掛けがセットになった2枚組の羽毛布団です。
季節に合わせて1枚ずつ使用したり、寒い季節にはセットで使うことができるため一年を通じて使うことが出来ます。
羽毛布団の選び方4:キルト
羽毛布団には一般的に中身の羽毛が片寄るのを防ぐためのキルトが施されています。キルトは羽毛布団のふくらみを保ち、暖かさやカラダのフィット感を高めるのに影響があるため、羽毛布団を選ぶ際の重要なポイントになります。様々なキルトについて、種類ごとの特徴をご紹介していきます。
スクエアキルト(タタキキルト、直キルト)
ヨーロッパキルトとも呼ばれ、マスごとに羽毛布団の表生地と裏生地を直接縫い合わせたキルトです。意図的に空気を逃げやすくしているので調節の役割が高いですが、熱が逃げやすくなるので保温性はあまりありません。
BOXキルト(完全立体キルト)
通常の立体キルトは、羽毛布団の表生地と裏生地の間に仕切りを入れて部屋状の「マス」を作っています。このマスとマスの間に隙間があると長期の使用により羽毛が少しずつ移動していき、偏りがでてしまいます。BOXキルト(完全立体キルト)は、マスを完全に独立させる特殊な縫製技術を使っており、羽毛の偏りを完全に防ぐことができます。
パワードームキルト
世界で初めて立体キルトに立体縫製するという特殊構造を実現し、羽毛が膨らむ力と保温性を最大限に活かすためにつくられた究極のキルトです。フランスベッド独自のキルトで特許を取得しています。
ネックラウンドキルト
襟元の継ぎ目をなくすことにより羽毛が隅々まで充填される、首周りの肌あたりが優しく暖かいという特徴を持ったキルトです。
羽毛布団の選び方5:側生地
羽毛布団の側生地は、中に入っている羽毛が外に出ないように布団の中身を覆うカバーの役割をする生地のことです。側生地の素材や織り方は通気性・保温性・吸湿性・放湿性・柔軟性・軽量性などの羽毛布団にとって重要な性能にも影響します。
側生地には、綿やシルクなどの天然素材またはポリエステルなどの化学繊維のものがあります。綿は通気性、吸湿発散性に優れ、シルクはなめらかな肌触りと吸湿発散性に優れています。ポリエステルは比較的価格が安く丈夫な反面吸湿性が低いと言われてきた素材ですが、近年は技術向上に伴い吸湿性に優れたポリエステル生地も開発されています。また、天然素材に比べて軽いのもポリエステル生地のメリットです。
側生地の織り方にも、軽くて丈夫な平織り、伸縮性がありしわになりにくいツイル、光沢感と柔らかさをもつサテンなどの種類があります。また抗菌防臭加工により細菌の増殖を抑え臭いを防ぐものなど、側生地自体に機能性を持たせたものもあります。カバーをかけて使うため側生地は直接肌に触れる部分ではありませんが、素材や織り方を理解しておくと、好みの羽毛布団を選びやすくなります。
側生地について詳しくは、こちらもご覧ください。
「側生地とは?」
側地素材の混成比率も要チェック
側生地に使われている素材は品質表示ラベルで確認することができ、同時に使われている素材の比率もわかるようになっています。
但し、品質表示ラベル上では素材の種類を「家庭用品品質表示法」で定められた指定用語で表すので、例えばT/Cのような一般的な生地の名前は使われていません。
側生地の素材に「綿」と「ポリエステル」が表示されている場合、以下のような生地が使われています。
T/TC(テトロン/テトロンコットン)
T/TCは、テトロン(=ポリエステル)が約85%で綿が約15%といったようにポリエステルの割合が高い生地のことを指します。ポリエステルの割合が高いことから、軽くてしわになりにくく、蒸れやすいといった特徴があり、比較的安価な商品に使われることが多い素材です。
T/C(テトロン/コットン)
T/TCよりも綿の割合を大きくした側生地です。綿は天然繊維のため柔らかく、織り方を工夫して表側の面に綿が多くくるようにして肌触りをよくすることができます。布団の側生地以外にも様々な用途に使われる生地です。
綿100%
綿100%と表示されている生地にも様々な種類があります。
織り方の種類では、ブロード、ツイル、サテンなどがあり、織り方の特徴によってフィット感も変わってきます。
また、超長綿と呼ばれる希少な綿糸で織られた生地は、しなやかで光沢があり、より高級な側生地となります。
羽毛布団を選ぶ際、羽毛の産地は気にしたほうがいい?
羽毛の産地によっても羽毛布団の品質は大きく違ってきます。中国を中心としたアジアの羽毛よりも、寒冷地で古くから国家事業として羽毛の品質向上に取り組んできたポーランドやハンガリーなどヨーロッパの方が高品質な羽毛が産出されています。これは寒冷地の水鳥は寒さから身を守るために保温性高く良質な羽毛を持っているおり、羽毛布団にも適しているからです。
このため高品質な羽毛布団を選ぶ際はポーランド、ハンガリーなどの羽毛が使用されたものを選ぶことがおすすめです。
羽毛の産地について詳しくは、こちらもご覧ください。
「羽毛の産地はどこが有名?」
「羽毛の産地偽装問題とは?」
「やっぱり日本製の羽毛布団のほうが品質は高いの?」
まとめ
ここまで紹介してきたとおり羽毛布団を選ぶときは、羽毛の種類、羽毛の産地、ダウン率、ダウンパワー、キルト、側生地など様々なポイントに注意して選ぶようにしてください。良質な羽毛布団を選ぶことが良質な睡眠へとつながることにもなります。
決して安くはない羽毛布団ですから、しっかりと知識をもち、予算や好みなども考慮し、十分に検討した上でご自身にあった一番良い羽毛布団を購入し、長く快適に使えるようしましょう。
この記事の監修者
フランスベッド
インテリア商品企画部
インテリア商品企画部では、フランスベッドのインテリア事業で展開をするベッド・寝具類(羽毛布団を含む)・家具の商品企画全般およびそのプロモーションを行い、眠り・睡眠といった視点からだけではなく、健康や環境への配慮など様々な視点から、皆様に高付加価値製品を提案しております。
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