眠りの疑問 -睡眠について- SLEEP FAQ
Q
睡眠の質を高めるおすすめの音楽と聴き方
更新日:2018/10/01
A
あなたは毎日ぐっすり眠れていますか?もし眠れていないなら、不眠を解消する方法として、睡眠前に「音楽」を取り入れてはどうでしょうか?心地良い眠りを誘う音楽を聴くと心身ともにリラックスできます。しかし、選曲や聴き方を間違ってしまうと返って寝つけずに逆効果にもなりかねません。今回は、睡眠の質を高める音楽と聴き方について紹介します。
音楽が睡眠にもたらす効果とは?
ストレス社会といわれる現代において、「なかなか寝つけない」「夜中によく目が覚める」「朝スッキリ起きられない」など、睡眠に何らかの問題を抱えている人が増え続けています。不眠の症状は夜間のつらさだけでなく、昼間の眠気や集中力の低下、体のだるさなど心身ともに悪影響を及ぼします。このような不眠を解消する方法として効果的なのが「音楽」です。睡眠前に体をリラックスさせる音楽を聴くと眠りやすい状態へと導いてくれます。人がリラックスしている状態のときの指標として「脳波」がありますが、脳波には大きく次の5つの種類に分けられます。
脳波の種類
- (1) γ波(ガンマ波):イライラしている状態時に出る脳波
- (2) β波(ベータ波):通常の覚醒している状態時に出る脳波
- (3) α波(アルファ波):リラックスした状態時に出る脳波
- (4) θ波(シータ波):浅い睡眠でまどろみの状態時に出る脳波
- (5) δ波(デルタ波):深い睡眠の状態時に出る脳波
睡眠前のリラックスした状態を作るには、(3)のアルファ波が出る音楽ほど眠りやすいといわれており、その特徴をまとめると次のようになります。
眠りやすい音楽の特徴
- 歌声が入っていない
- 自然音
- 高周波音を含む音楽
寝つきが良くなる音楽とは?
歌詞が入っていない音楽
歌詞が入った音楽は、気分を盛り上げてストレス発散したい時には良いですが、睡眠前には逆効果になります。歌詞が耳に入ってくると、意味のある言語として捉えて考えはじめるので、脳がリラックスするどころ返って覚醒してしまいます。睡眠を促すには、歌詞が入っていないインストルメンタルの音楽をおすすめします。
高周波音を含む音楽
単調でテンポが乱れないゆったりしたメロディも脳をリラックスさせ、α波を発生しやすくさせます。特に4000ヘルツ以上の高周波音を含む音楽が効果的で、その代表的なものにモーツァルトの音楽があります。モーツァルトの音楽には3,500~4,500ヘルツの高周波音が多く含まれており、脳をリラックスさせ心と体を癒した状態で入眠へと導きます。
自然音
川のせせらぎ、波の音、鳥のさえずりなど、自然の音を収録したヒーリング音楽も、α波を発生させる音楽として知られています。自然の音には、人の気分を心地良くさせる「1/f(エフ分のいち)ゆらぎ」と呼ばれる癒しのリズムを発しています。自然の音に含まれる「1/fゆらぎ」のリズムと共鳴し合うことで、脳波がα波の状態になり、気分も体もリラックスした状態にさせてくれます。
寝つきが悪くなる音楽とは?
激しい音楽
入眠を促すには脳をリラックスさせる音楽が効果的ですが、気分を高揚させるテンポが激しい音楽は、返って脳を活発化させてしまいます。こうした音楽を聴きながら眠ると逆に寝つきが悪くなり、睡眠の質を低下させてしまう要因にもなります。激しい音楽は気分をリフレッシュしたい時や、ストレスを発散させたい時に聴きましょう。
歌詞付きの音楽
眠りを妨げる他の音楽には「歌詞付き」のものもあります。前述したように音楽に歌詞が付くと、心地良い音楽だとしても言語として捉え、聴きながら脳が思考しはじめるので、脳を起こしてしまうことになります。気持ちよく眠るには歌詞の付いていないインストルメンタルの音楽を選曲しましょう。
イヤホンやヘッドホンを使う場合の注意点
自分だけの心地良い気分に浸ろうとイヤホンやヘッドホンを使う場合もあるかと思います。しかし、このような場合には注意が必要です。使い方を間違うと耳が聞こえづらくなる「イヤホン難聴」や「ヘッドホン難聴」の原因にもなるためです。眠りながら長時間でかつ大音量で使っていると、はじめは自覚症状がなくても、徐々に聴力が低下する難聴の危険性が高まります。睡眠する際にイヤホンやヘッドホンを使う時は、できるだけ音量を下げて、さらに長時間使うのではなく、眠りにつくタイミングで自動的にタイマーが切れるように設定しましょう。
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今回は、睡眠と音楽の関係性について紹介しました。リラックスした眠りに誘う音楽を取り入れれば、不眠解消をサポートしてくれますが、曲の選び方や聴き方、ヘッドホンの使い方などを間違えてしまうと不眠を助長する結果にもなりかねません。正しい利用方法を理解して上手に活用しましょう。