眠りの疑問 -睡眠について- SLEEP FAQ
Q
疲労回復の方法には何がある?
更新日:2018/10/01
A
人は疲れたと感じたとき、栄養のつくものを食べたり、気分転換をしたり、睡眠をとったりといろいろなことを試してみるもの。
それでも「どこか疲れがとれない……」と感じている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、疲労の原因にポイントを絞りながら運動、栄養、睡眠3つの視点から疲労回復の方法を紹介します。
疲労には3種類ある
- 忙しく動き回った後や運動後に起こる肉体的疲労
- 人間関係や悩み事などストレスによる精神的疲労
- パソコンや細かい作業を継続的におこない、目・肩・腰などに疲れがたまる神経的疲労
人間は、そういったさまざまな疲労が蓄積した結果「疲れた」と自覚します。疲れは痛みや発熱と並んで三大生体アラームと呼ばれており、身体からの重要なメッセージです。
3種類の疲労は密接にかかわっている
疲労の原因は肉体・精神・神経といったようにさまざまですが、それぞれが別れているわけではなく、互いに密接に関係しています。例えば、ストレスがあると精神的な疲労がたまります。精神的な疲労は、体内の臓器を支配している交感神経の働きを低下させ、肉体的疲労を助長させてしまいます。同じように、神経の疲れは自律神経のバランスを乱し、精神的疲労につながるのです。
疲労回復の方法
疲労はこまめに解消しておくことが大切。運動・食事・睡眠の3つからアプローチした疲労回復方法が有効的です。ちょっとしたコツを知れば、すぐに実践できるものばかり。ぜひ普段の生活に取り入れてみましょう。
有酸素運動をする
運動すると疲れがとれるのはなぜ? と不思議に感じませんか。筋トレなどの無酸素運動ではなく、ウォーキングやランニング、水泳、エアロビクスなどの有酸素運動は疲労回復に効果的です。適度な有酸素運動は、体脂肪の燃焼に加え、肺や心臓などの、循環器系の機能を向上させます。有酸素運動のように比較的長い時間運動し続けるには、体に酸素を素早く行き渡らせる必要があり、それを続けていると心臓や肺などの機能が活性化します。循環器系の機能が活性化することで「疲れにくい体づくり」ができるのです。
疲労回復効果のある栄養素
疲労回復効果のある栄養素の代表的なものとしてビタミンB1とクエン酸があります。ビタミンB1が不足すると、体を動かすのに必要なエネルギーが作れなくなり、疲労がたまります。豚肉やうなぎなどの食材に多く含まれるビタミンB1を積極的に摂取していきましょう。また、クエン酸は運動やストレスなどで蓄積されていく疲労物質の乳酸を分解し、体から排出してくれます。クエン酸が多く含まれている食材は柑橘系の果物、お酢、梅干などです。こうした栄養素を取り入れた食事をとることは疲労回復に効果的です。
質の高い睡眠
眠っている時間に分泌される成長ホルモンは、成長を促進させるだけでなく疲労回復にも役立っています。睡眠中に成長ホルモンを十分に分泌して体中に行き渡らせられないと、目覚めたときに疲労が残っているように感じます。質の高い睡眠をとるために、適度な運動、食事時間、生活のリズム、睡眠環境などから取り組んでいきましょう。例えば、普段あまり運動をしない人は日中に散歩やランニングなどの運動をする、就寝前の食事は控える、朝太陽の光を浴びて起床する、リラックス効果を高めるために寝室の照明や枕の高さを工夫するなど、身近なところにも質の高い睡眠をとるためにできることがあります。
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最近の疲労の傾向って?
東京疲労・睡眠クリニックの梶本修身院長によると、近年、日本人の疲労は栄養不足が原因ということはなくなりつつあり、むしろ食べ過ぎによって疲れてしまうこともあるそうです。日本人の疲労の主な原因は自律神経。自律神経機能の平穏な状態を作ることが、最近の疲労回復に対しては有効な方法だといいます。
自律神経とは内臓、血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経のことです。自律神経には、交感神経(緊張している時の神経)と副交感神経(リラックスしている時の神経)があり、疲労回復にはこの自律神経のバランスが崩れないようにすることが大切。イライラしたり、原因のわからない痛みを感じたりしたら、自律神経のバランスが崩れているサイン。副交感神経を活動させるため、音楽を聞いたり入浴したりしてリラックスする方法を試みていきましょう。
以上、疲労回復の方法について紹介してきました。体からのサインやメッセージに耳を傾け、自律神経の乱れに素早く気づき、疲れをためてしまわないように運動・食事・睡眠の面から対策していきましょう。