眠りの疑問 -睡眠について- SLEEP FAQ
Q
睡眠不足は重大な事故につながる!対処方法を知ろう
更新日:2018/10/01
A
交通事故などの重大事故について「自分には関係のないこと」と捉えてしまっている方は少なくありません。しかし、その重大事故を睡眠不足が招いているとしたらどうでしょうか。きっと他人事ではないはず。実際に高速道路の本線だけでも年間1万件以上の交通事故が報告されています。そこで、ここでは睡眠不足と交通事故の関係性について解説します。
睡眠不足により交通事故が多発している現状
睡眠不足が原因で交通事故を起こしてしまうケースは珍しくありません。それは、居眠り運転とまではいかなくとも、認知、判断、操作のそれぞれの能力に悪影響を及ぼすためです。実際に冒頭でも紹介したように、高速道路の本線だけでも、年間1万件以上の交通事故が報告されています。原因の47%は前方不注視で死亡事故の約4割です。この事実から睡眠不足と交通事故に大きな相関性があることが分かります。
睡眠不足での運転は飲酒運転と同じ
睡眠不足での運転が危険であることはご理解いただけたと思いますが、起床してから17時間を超えると飲酒運転と同じ危険度になることも判明しています。こちらは1997年にオーストラリアの研究者らが『ネイチャー』という世界的権威のあるイギリスの科学専門誌に発表した報告です。記載されていた内容をまとめと下記の通り。
健康な被験者が実験に参加。実験内容は、朝8時に起床してから翌日の昼まで起きていてもらい、「30分ごとに、動く物体をどれだけ正確に追跡できるか」というものです。結果は、起床から12時間後の夕方まではパフォーマンスが上がり続けていったものの、それ以降はパフォーマンスが下がりました。そして、起床から17時間を超えたころにはオーストラリアでの飲酒運転の基準である0.05%かそれ以上の酩酊レベルまで落ち込んだのです。この実験からも、睡眠不足における交通事故の危険性が分かることでしょう。ちなみに17時間を超えてから飲酒状態にまで、脳機能が低下してしまうのは、24時間のサイクルで活動する人間の体内時計が、休息の時間(睡眠時間)と判断し、覚醒状態に溜まっていた疲労や眠気が身体に顕著に出てくるためです。
睡眠時間は7時間以上を確保しましょう
運転をするのであれば、睡眠時間は7時間以上を確保しましょう。睡眠時間が短くなると、場合によっては事故率が11.5倍以上にも跳ね上がります。これは米幹線道路交通安全局(NHTSA)が公表している飲酒運転が引き起こす交通事故のリスクと同程度になります。事故を起こしたドライバーがどれくらいの睡眠時間だったのかを調査して分類したところ、下記のような結果になりました。
睡眠時間 事故発生率
- 4時間未満 11.5倍
- 4~5時間 4.3倍
- 5~6時間 1.9倍
- 6~7時間 1.3倍
※事故発生率の基準は適切な睡眠時間とされている7時間超
このデータからも、理想とされている睡眠時間を下回ることによって、事故のリスクが上がってしまうことが分かります。
睡眠不足にならないための方法
睡眠不足にならないための方法は当然のことながら、睡眠時間をしっかりと確保することです。それに加えて睡眠の質を高めることが非常に大事になります。それでは睡眠の質を高める方法について紹介します。
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1. 入浴のタイミングを意識する
入浴の時間は就寝時間の90分前にしてみましょう。身体の特性として、活動時には体温が高く、休息時には体温が下がるためです。つまり、就寝前から逆算して入浴することによって、ある程度の眠気のコントロールが可能ということになります。入浴のタイミングを意識してみましょう。
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2. アロマを使う
アロマには副交感神経をリラックスさせる作用が期待されています。そのため、心身ともにリラックスすることによって、入眠までの時間が短縮できることでしょう。まずは安眠サポートの定番であるラベンダーの香りからお試しください。
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3. ブルーライトを浴びない
定番の方法ではありますが、睡眠前の30~60分にはブルーライトを浴びないようにしましょう。ブルーライトには交感神経を優位にし、脳を覚醒させる作用があるためです。寝る前のスマートフォンは我慢するようにしてください。
ここまで睡眠不足による重大事故について見てきました。睡眠の時間や質が向上するだけでも大幅に交通事故のリスクが軽減できるので、ぜひ今日から睡眠不足の対策をしていきましょう。